「うーん、イマイチねえ」
呟いて、ルナマリアは溜息をついた。
目の前には高精細小型カメラで撮影した画像データがずらりと端末の液晶に並んでいる。自動的にスライドするように設定してあり、今も目の前で
画像を次から次へと流していた。
頬杖をつき、ルナマリアは再度画面を見つめた。
「うーん」
そして同じように溜息をつく。
かれこれ、もう二時間ほどこうして画面とにらめっこ状態で過ごしており、そろそろルナマリアの忍耐も限界にきていた。
「何が足りないのかなー」
言って目を閉じる。
ここはミネルバ内にあるルナマリア用の個室で、今日は休みを貰った日だったが自宅でデータ整理も憂鬱になると思い艦内でやってしまおうとこう
していた。
質素な個室には誘惑するものも少なく、集中できるのだ。
ただし、しているのは仕事のデータ整理ではなかったが。
「・・・・・・ここはひとつ、お姫様にご協力願うか。確実にアクセス数アップよねー」
ルナマリアは身軽に椅子から立ち上がると、着ていたスカートの裾を直し、背を伸ばした。
本来、私服で艦に来ることはないが、今日は街にもでる予定だった為、ルナマリアはお気に入りの白いスショートコートにミニスカート、ニイハイ
ブーツという装いですっかり軍人ではなく、綺麗なお姉さんの出で立ちだった。
ふと目に入った窓ガラスに映りこんだ自分を見て、ルナマリアは微笑んだ。
いい女ではないか。
バカなのは、男よね。
くるっと一回りしいてみて、ポーズまで決めてみる。
しかし、ルナマリアはすぐに頭を掻いてうな垂れた。
「・・・・・・わかってるわよ。キャラじゃないのくらい。いいのよ、大人の魅力でいくから。はいはい」
一人でぶつぶつ呟き、ルナマリアは端末からメモリチップを抜き電源を落とすとデスクからポシェットを取り、肩にかけるとそのまま個室を後に
した。
今日ヒマ?
良かったら、一緒に街にでないかなと思って。あたし、休みなの。
今、ミネルバにいるし出てこれる?
ルナマリアからのメールだった。
ステラは、携帯が鳴るのはおやつの時間だけだと思っていたので、テーブルで「メールですわ」とラクスの声が聞こえた時は飛び跳ねて驚いた。
そう、それはアスランがプレゼントした携帯で、着信音はすべてアスランかラクスかカガリの声がすでに登録されており、ステラの手元にきて
からは必ず、アスランからの定期連絡が毎日入るのである。
シンは携帯を持っているがほとんどかけてこない。電話で話すと帰りたくなるからと言っていたが、ステラにはよくわからないままだった。
結局はアスラン専用携帯であったのだ。
なのに、今日は。
「・・・・・・えと、こう、うん」
ステラは懸命に携帯の画面と、ボタンを睨みながら押す。
大体、メールというものがはじめてきたのだ。ステラは急いで引き出しから、アスランのくれたマニュアルを取り出して挑んだわけである。
「う・・・・・・」
メールがきてから、もう三十分は経過している。
しかし、画面は真っ白のままだった。
「きえる」
涙目になってステラは途方に暮れた。
できたと思って最後に決定を押すと、文章がまるっと消えてもとの画面になってしまうのだ。
「いまから、いくって、いいたいのに」
結局ステラは携帯を閉じると、テーブルに置いて隣の部屋からコートを出してきて羽織った。
もう行ったほうが早い。ミネルバなら、ここから歩いていける。
「・・・・・・」
靴を履いて出ようとして、鏡に目が行った。映る自分を見て、ちょっと首を傾げた後に回れ右で部屋に戻る。
ルナマリアは綺麗で、きらきらしている。
そんな彼女の隣を歩くなら、ちょっとでもステラも背伸びしてみよう。ラクスがこの間見せてくれたファッション雑誌を思い出しながら、ステラ
はクローゼットを漁った。
まだ途中。笑
みつけたかた、ありがとう。もうちょい書いたらきちんとUPします。